わくわく♪ 貝殻通信

和歌山の海や大阪湾で採集した貝殻を紹介します

和歌山の貝 コンゴウボラ(Merica laticosta,1881)

 

2018年 和歌山市 打ち上げ 30mm

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コンゴウボラ(Merica laticosta,1881)

【分布】房総半島・山口県北部以南
【生息】水深5~20mの細砂底

【打ち上げ】たまに上がる

海が荒れた後、打ち上げラインを掘ったら出てきました。砂浜でそこそこ拾える種類だと思うのですが、私はあまり出合っていません。巡り合わせでしょうか…。

和歌山の貝 タガヤサンミナシ(Conus textile,1758)

 

2019年 みなべ町 打ち上げ 55mm

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タガヤサンミナシ(Conus textile,1758)

【分布】三宅島・紀伊半島山口県北部以南
【生息】潮間帯~水深50mのサンゴ礁

【打ち上げ】よく上がる

海が荒れた後、小さめのタガヤサンミナシが幾つも転がっていたので、欠けのないものを選んで拾ってきました。どこにでもある普通種ですが、磯で拾うよりも潮の流れが穏やかな内湾的な所で探した方が綺麗な個体を拾うことが出来ます。

和歌山の貝 チカゲイモ(Conus granum,1985)

 

2016年 すさみ町 打ち上げ 35mm

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チカゲイモ(Conus granum,1985)

【分布】沖縄からニューカレドニア
【生息】水深25m~240mの砂中や
    サンゴ片の中

【打ち上げ】たまに上がる

すさみ町の砂利浜で拾いました。オゴクダで小さいものをたまに見かけますが、このチカゲイモは35mmある大きな個体です。口は割れていますが結構気に入っています。(^^)

日本近海産貝類図鑑2版では、コドングリイモという和名が付けられていますが、ブログ「オゴクダの貝」では元来の和名であるチカゲイモを採用されていますので、こちらに倣っています。

和歌山の貝 ナガシマヤタテ(Mitra paupercula,1758)

 

2018年 すさみ町 打ち上げ 21mm

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ナガシマヤタテ(Mitra paupercula,1758)

【分布】紀伊半島以南
【生息】サンゴ礁潮間帯~水深5mの転石
    死サンゴ下

【打ち上げ】あまり上がらない

すでに紹介しているコシマヤタテと同じ産地で、このナガシマヤタテを見つけました。

ずんぐりしたのはコシマヤタテ、細長いのはナガシマヤタテだと思っていましたが、ネットで検索すると長めのコシマヤタテの画像が出てきたりして、よく分からなくなりました。(+_+)

ざっくりとした見た目判断では間違えそうだったので、Kudamakiさんのブログ「オゴクダの貝」を拝見したところ、コシマヤタテは殻表全体に低い螺肋が出ていて、ナガシマヤタテは内唇の歯の辺りから水管にかけて螺肋が出ると説明されていました。

写真の個体は、歯から水管にかけて螺肋が出ているので、ナガシマヤタテで間違いないと思います。

和歌山の貝 ゴマフイモ(Conus pulicarius,1792)

 

2018年 串本町 打ち上げ 33mm

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ゴマフイモ(Conus pulicarius,1792)

【分布】八丈島紀伊半島以南
【生息】潮間帯~水深75mの岩礁間や
    サンゴ近辺の砂中

【打ち上げ】たまに上がる

ゴマフアザラシみたいで可愛いなーと思って、貝殻拾いを始めた頃から探していたのですが、なかなか見つけられませんでした。すさみ町でボロボロの個体を初採集した後、潮岬近くの産地で綺麗なゴマフイモを拾ってからは時々見かけるようになりました。

和歌山の貝 ソナレイモ(Conus luteus,1833)

 

2018年 串本町 打ち上げ 14mm

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ソナレイモ(Conus luteus,1833)

【分布】八丈島紀伊半島奄美諸島
【生息】水深10~40mの洞窟
    およびサンゴ片の中

【打ち上げ】たまに上がる

オゴクダで拾いました。他の場所では拾ったことがありません。とても小さいので、掘ったら出てくるという印象が強いですが、30mm位になる種類のようなので、大きいものも拾ってみたいと思っています。

和歌山の貝 イソバショウ(Ceratostoma fournieri,1861)

 

2018年 串本町 打ち上げ 35mm

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イソバショウ(Ceratostoma fournieri,1861)

【分布】房総半島から九州の太平洋
    日本海全域
【生息】岩礁潮間帯~水深100m

【打ち上げ】よく上がる

【追記】
当初は、ヨウラクガイとしていましたが、コメント欄でイソバショウだと教えて頂きましたので訂正します。

ヨウラクガイの「ひれ」はピンと張っていて鋭いそうです。対してイソバショウの「ひれ」は丸みがあって尖っていません。この貝殻はイソバショウの特徴をそなえていますが、私は擦れたヨウラクガイだと思い込んでいました。('Д')

イソバショウは浅い所に生息している為、比較的見つけやすいようです。今度、磯で探してみようと思います。

コメントを下さった天体X様、Kudamaki 様、ありがとうございました!

和歌山の貝 トウマキ(Cymatium succinctum,1771)

 

2020年 白浜町 打ち上げ 34mm

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トウマキ(Cymatium succinctum,1771)

【分布】相模湾山口県以南
【生息】潮間帯下部の岩礁

【打ち上げ】たまに上がる

砂利浜で拾いました。水管は折れていますが干からびた殻皮が残っています。ぐるぐる巻きの茶色い螺肋が印象的な貝ですね。

和歌山の貝 シノマキ(Cymatium pileare ,1758)

 

2018年 田辺市 打ち上げ 82mm

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シノマキ(Cymatium pileare ,1758)

【分布】紀伊半島八丈島山口県以南
【生息】潮間帯岩礁

【打ち上げ】よく上がる

南紀では広い範囲で拾うことの出来る貝殻だと思いますが、擦れているものが多いですね。ただし、海が荒れた後には、殻口が色鮮やかで殻皮の付いているシノマキが打ち上がることがあります。潮間帯に生息しているので新鮮な個体を採集しやすいのだろうと思います。

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シノマキ(Cymatium pileare ,1758)

 拾った時は殻口が鮮やかな朱色をしていましたが、だんだんと色褪せてしまいました。もっと早く写真を撮っておいたら良かったな…。

和歌山の貝 シマイボボラ(Distorsio anus ,1758)

 

2018年 白浜町 打ち上げ 22mm

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シマイボボラ(Distorsio anus ,1758)

【分布】紀伊半島以南
【生息】潮間帯

【打ち上げ】たまに上がる

磯の砂利浜で拾いました。外国産の立派なシマイボボラは100円ショップで安く買えてしまいますが、打ち上げで探すとなると、なかなかこれが大変で… (+_+) 私は小さな擦れたシマイボボラしか見たことがありません。それでも独特な形をしていて面白いので、見つけると、南紀に来たなぁ~と嬉しくなりますね。

大阪湾の河口で観察 ♪


38度の炎天下でしたが、干潮に合わせて河口へ出かけました。昨年初めて見つけた南方系の貝、ヒメカノコを観察するために泥っぽい所を探していきます。

いつもの水たまりは土砂が流れ込んで干上がっていました。(+_+) 7月に降った大雨で砂州の様子が変わっているし、ヒメカノコは全部流されてしまったのかもしれない…と不安になります。

それでも別の水たまりでイシマキガイを見つけたので、しゃがみ込んで観察していると、見えました!

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ヒメカノコ

ヒメカノコが2匹! 木の枝にくっついているものと、地面を這っているものです。

ヒメカノコはイシマキガイよりも殻表の照りが強いので区別がつきますが、念のため蓋を確認すると、黒っぽい色をしていました。イシマキガイの蓋は肌色をしていて外縁が赤いので、これはヒメカノコで間違いありません。

昨年は5月に観察したので、小さくて丸っこいものが多かったですが、今はもう8月。ずいぶん成長して大きくなり、殻頂が伸びて細長く見えます。

一番大きな個体は12mmありました。

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ヒメカノコ

ヒメカノコは模様に多様性があって面白いのですが、ここで見られるのは黒っぽい柄が多いです。泥の中で派手な模様をしていたら、目立って仕方がないですよね。

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ヒメカノコ

近くにもう1匹。元気に動き回っています。泥を掬ったら、もっと見つかるのかもしれませんが、とりあえず生息していることが分かったので充分です。

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ヒメカノコ

長時間、日なたでしゃがみ込んでいると気を失いそうになるので、日陰のある場所で打ち上げラインを探しましたが、めぼしいものは見つかりませんでした。暑くてバテていますからね、見逃している可能性大です…。(^-^;

それでも帰る途中にビー玉を見つけたので、何とかお土産が出来ました。(^^)

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少し大きめのビー玉です。不透明な空色は珍しいと思います。(*‘∀‘)

シーグラスには詳しくありませんが、手持ちの打ち上げビー玉を見てみると、透明な空色&緑色が一番多かったです。天然のフロスト加工が涼しげでいいですね。

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短い時間でしたが、お目当てのヒメカノコを観察することが出来て良かったです。打ち上げ採集の方は、少し涼しくなってから再開しようと思います。(^^)/

京都の貝 アメフラシの殻

 

2020年 京丹後市 打ち上げ 13mm

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アメフラシの殻

貝殻が退化しているものなので、とても薄くて脆いです。大きさからしてクロヘリアメフラシだと思うのですが、違うかもしれません。 

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アメフラシとミゾガイ

採集した日には幾つも打ち上がっていました。初めて拾ったので嬉しかったですねー。(^^)

和歌山の貝 チヂミバショウ(Pterymarchia triptera,1778)

 

2020年 白浜町 打ち上げ 46mm

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チヂミバショウ(Pterymarchia triptera,1778)

【分布】紀伊半島以南
【生息】水深10m~30mの岩礁

【打ち上げ】あまり上がらない

磯にある砂利浜で拾いました。ヒレが擦れてスラリとしていたので、拾った時はカラスキだと思っていました。(+_+)

図鑑を見ると似たような種類が多く、特にヒレビロバショウと迷いましたが、殻口がオレンジ色で小歯が強いという特徴から、チヂミバショウと判断しました。

サイトで検索すると、美しいチヂミバショウの画像がたくさん出てきます。綺麗ですねぇ…。(*‘∀‘) 

和歌山の貝 シロガンゼキ(Chicoreus cnissodus,1889)

 

2019年 みなべ町 漁労くず 60mm

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シロガンゼキ(Chicoreus cnissodus,1889)

【分布】紀伊半島以南
【生息】水深30m~70m

【打ち上げ】あまり上がらない

漁労くずを観察するイベントに参加した時に頂きました。名前通りの白色をしています。水管こそ折れていますが、棘が残っているので触ると物凄くチクチクします。('Д')

似ている貝にガンゼキボラがあります。ガンゼキボラは黒っぽい岩色をしていて比較的落ちていますが、シロガンゼキは少し深い所に生息しているため、打ち上げでは見かけません。

和歌山の貝 シロマダライモ(Conus mussatella,1758)

 

2019年 串本町 打ち上げ 27mm

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シロマダライモ(Conus mussatella,1758)

【分布】八丈島紀伊半島以南
【生息】潮間帯~水深25mのサンゴ礁砂底

【打ち上げ】あまり上がらない

状態の良い個体ですが、かなり小さいです。スラリとして美しいイモガイなので、大きいものはすぐに拾われてしまうのでしょうね。すさみ町でも拾っているので、南紀には広く生息しているようです。